裁かれた”コメント屋” 乙骨を斬る(1) <2002/08/07 創価新報>


裁かれた“コメント屋” 乙骨を斬る 第1回

乙骨の大嘘コメントに賠償命令
取材も調査もまったくしない売文屋


北新宿地上げ捏造報道 「週刊新潮」ともども断罪 東京高裁
 悪質なコメントに賠償命令――。卑劣な謀略の歯車として、憶測と伝聞に基づいた、ウソ八百のコメントを垂れ流してきた乙骨正生。その悪行が、あらためて法廷で裁かれた。
 1999年7月、反人権誌「週刊新潮」は、「創価学会ダミーが地上げを始めた 北新宿『1万4000坪』」というセンセーショナルな大見出しを掲げたとんでもないでっちあげ記事を載せ、そこに乙骨がこれまたとんでもない大ウソのコメントを寄せた。その内容があまりに悪質極まりない全くのデマであることが、東京地裁、高裁での裁判で明らかとなり、断罪されたのである。「週刊新潮」と編集責任者・松田宏に400万円の損害賠償命令と謝罪広告の掲載、コメントを寄せた乙骨にも100万円の賠償命令という厳しい判決が申し渡された。
 ジャーナリストを詐称してきた“コメント屋”への致命的な判決だ。


法廷で暴かれた醜態
 2001年4月11日――東京地裁第721号法廷
 
弁護士
「学会員が地上げに関与していたということが、事実かどうか、あなたは自分で調査したことがありますか」

 
乙骨
「新潮の取材結果を聞きました」

 
弁護士
「そうすると、このコメントの根拠は記者の説明ということになるわけですね」

 
乙骨
「そうです」

 
弁護士
「インターホンに出た婦人が地上げに行ったことを認めていたとか、認めていないとか、そういうやりとりは全然聞いていないのですか」

 
 証言台に立った男は、必死に平静さを取り繕いながら、信じがたい言葉を平然と言い放った。
 

 
乙骨
「そういう場合はそういう細かいことは聞かないです」

 
弁護士
「全然聞かないのですか」

 
乙骨
「ええ」

 
 要するに、自分が雑誌に寄せたコメント内容について、自らは取材も、事実の調査も、全くしていない。
 この許し難い虚偽報道の実態を被告・乙骨正生は法廷で自ら認めたのである。
 

 
弁護士
「そうすると、あなた自身が調査したことはないということですね」

 
乙骨
「はい」

荒唐無稽な“地上げ部隊”
 そもそも、「週刊新潮」による、この「北新宿地上げ」報道そのものが、でっちあげ記事であること自体、明らかだった。
 なかでも読者をあきれさせたのが、「『主婦』地上げ部隊」の記述。創価学会員100人に聞けば、100人が「そんなもの見たことも聞いたこともない」と答える。まさしく荒唐無稽な大ウソである。ところが、「週刊新潮」の記事は、臆面もなく、その“幻”をでっちあげている。
 新潮いわく――地権者が、北新宿で3人組の婦人を尾行。うち一人の婦人がたどり着いたという多摩地域の家に、「聖教新聞販売所」の看板が。そして三色旗が翻っていたという。何と、これだけで「学会は、わざわざこんな遠いところから地上げ部隊を送り込んでいた」と勝手に決めつけているのだから、あきれるばかりだ。
 尾行されたとされる女性が法廷に立った。
 
弁護士
「北新宿に行ったことがありますか」

 
女性
「ありません」

 
 新潮の記者は、一応、情報の裏付けをとるため、婦人宅と思われる家を訪問。インターホン越しに女性の話を聞くが、名前も年齢も確認することなく、学会員宅であることを確認しただけで帰ってしまう。
 しかも、その女性が新潮記者に対し、「北新宿など行ったこともない」と明確に答えたことは、当の新潮記者自身も法廷で認めている。
 それが、どこで、どうやって「地上げ部隊」という話につながるのか。
 取材結果と全く異なるでたらめ記事を新潮はでっちあげているのだ。
 ちなみに、「聖教新聞販売所」の看板は、「取扱所」の看板の誤りだったこと、取材を受けた婦人宅では三色旗を出していないことが法廷で明らかになっている。
理解不能、奇怪な発言 
 一事が万事、このいい加減さである。
 そして、この「地上げ部隊」のヨタ話を記者から聞いたというだけで、自ら何の確認もせず、「まったく新しい学会村づくりの手口」などと、常人には理解不能な、おかしなコメントを寄せているのが乙骨だ。
 この男がジャーナリストとは似ても似つかぬ人間であることは、デマ記事の中で「ダミー企業」と名指しされた不動産業者に関する尋問でも、はっきりした。
 

 
弁護士
「(不動産業者について)何も調査しなかったわけですよね」

 
乙骨
「調査はしておりません」

 
弁護士
「学会婦人部の関与という点も、(ダミーとされた)会社と学会との関係についても、あなた自身はそれが本当にそういう関係にあるのか、ないのか、全然確認してないということですね」

 
乙骨
「この件は自分自身がもともと関心を持って取材をしていた対象じゃありませんから、それはやっていません、ということですよ」

 
 最後は開き直るしかなかったのか。ここまで、ひどい己の実態が明らかになっても、反省の様子などかけらもなかった。このような醜態を目の当たりにした裁判所が、一審で次のように断じたのも、当然である。
 「被告新潮社の記者らによる取材が極めて不十分なものであった」
 「被告乙骨は、新潮社の記者による取材経過について詳細な内容をまったく聞かなかった」
 「乙骨の故意または過失は否定されない」と、判決文は結論している。
 新潮側は、記事中の他の登場人物を証人として法廷に呼べない言い訳をくだくだと述べていたが、そんな“情報提供者”など、どこにも存在しないことは、明らかだ。当然、法廷に証人として出廷できたのも乙骨だけ。
 そのあげく、乙骨は、地裁判決に続き、6月の高裁判決でも、ウソだらけの薄汚い売文屋として、天下に赤恥を晒す哀れな結末となった。


卑しい“謀略”の使い走り
 もう一つ、法廷で印象に残った場面がある。
 
弁護士
「あなたがこれまで刊行した本は2冊ということでよろしいですか」

 
乙骨
「はい」

 
弁護士
「1冊目は朝木明代議員の死亡を扱った『怪死』ですね」

 
乙骨
「はい」

 
弁護士
「それからもう1冊は、『公明党=創価学会の野望――「自・創」野合政権を撃つ』という題名の本ですね」

 
乙骨
「はい」

 
弁護士
「あなたは創価学会に関係しないことについての本を出版したことはありますか」

 
乙骨
「本は、ございません」

 
 プライドを傷つけられたのか、乙骨は、この時、声のトーンを落とした。
 ここで弁護士が指摘した本は、いずれも、デマによる意図的な学会批判の謀略本にすぎない。
 乙骨という男は、もともと、学会を嫉妬する卑しい“謀略”の、しがない使い走りなのだ。
 裁判所に提出した陳述書では「著述業」などと自称しているが、所詮この程度。反人権メディア御用達の便利屋であり、コメント屋にすぎない。
 あえて、「本は」と添えた言葉が精いっぱいの抵抗だったのだろう。
 しかし、いくら虚勢を張っても、実態が伴わないところが「小物」たるゆえんである。
 次回は、乙骨が手を染めた謀略本のでたらめと、過去のあきれた行状を取り上げ、乙骨の悪行を暴いていく。
北新宿地上げ捏造報道とは
 「週刊新潮」が1999年7月8日号、15日号に掲載した「東京・北新宿再開発事業計画用地を学会がダミー企業を使って地上げしている」云々という全く事実無根の捏造記事。これに対し、創価学会は、発行元・新潮社と編集人兼発行人の松田宏、コメントを寄せた乙骨正生を同年10月、名誉毀損で提訴。一審の東京地裁判決(01年12月3日)、二審の東京高裁判決(02年6月27日)ともに、学会側の主張を全面的に認め、新潮側に損害賠償金400万円と謝罪広告、乙骨に賠償金100万円の支払いを命じた。